ヒデキのパイオニア☆スピリットデー:1973年5月25日
「コール・アンド・レスポンス」というのは、一般的に一人(またはグループ)の「呼びかけ(コール)」に対して、他者が「応答(レスポンス)」を返す形態で、音楽だけでなく宗教儀式などにも広く見られる伝統的な表現方法である。
これがゴスペル音楽(特に黒人霊歌)そしてブルースにも取り入れられるようになり、R&Bなどのブラック・ミュージックやその影響を受けたロックやロカビリーなどの白人音楽でも使用されるようになったようである。
▌ヒデキコール
当時、人気を博してきたヒデキが歌ってもキャーキャー騒がれるだけで全然歌を聴いてくれないことから、事務所側が作者(作詞家や作曲家)サイドに解決策を求めた。
そこで出来上がったのが1973年5月25日発売の5曲目のシングル『情熱の嵐』だ。
作詞・作曲・編曲は3作連続で、たかたかし氏、鈴木邦彦氏、馬飼野康二氏で、にしきのあきらの『空に太陽がある限り』のようにファンと一体となれる曲を…という要望に応え、コール・アンド・レスポンスを取り入れることになった。
「〇〇!と言ったらヒデキ!とレスポンスがくる、そういう風にメロディーに間を作ろう」ということになり、鈴木邦彦氏は4度と曲を書き直し完成したそうである。


君が望むなら (ヒデキ!)
命をあげてもいい(ヒデキ!)
恋のためなら 悪魔に心
渡しても くやまない
その瞳(その瞳!)
僕のもの(僕のもの!)
このからだ 君のもの
…..
ー『情熱の嵐』抜粋
▌振り付けエピソード
3曲目のシングル『チャンスは一度』以来、長年に渡ってヒデキの振り付けをしてきた一の宮はじめ氏は次のように語っている。
「ファンが「ヒデキ!」と掛け声をかける部分の手首を捻るアクションは、前の晩、酔って帰って、ドアのノブをガチャガチャ回していた時に『これだ!』って閃いたんです。こんな感じで、僕の振付にはムリがないんですよ。というか、自然の動きというか、いい加減なんです(笑)」

※参考文献
- TAP the POP 佐藤剛氏コラム(2025年05月)
- otonano【Part3】西城秀樹ミュージック・ストーリー(2023年12月)※全文の閲覧は会員限定